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京都市同和補助金調査委員会中間報告
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中間報告全文(資料も含む)は京都市職労ホームページで閲覧できます。

平成15年3月
文化市民局


京都市同和対策事業助成要綱に基づく補助金の調査に係る中間報告(概要)
(調査対象:平成9年度から平成11年度までの部落解放同盟京都府連合会各支部による学習会事業)

(同和問題解決に向けた本市の取組)
 本市においては、同和問題は、人類普遍の原理である人間の自由と平等にかかわる社会問題であり、民主主義社会の中で必ず解決しなければならない課題であることから、その一日も早い解決に向けて積極的に取り組んできた。その取組の一つとして、本市は、京都市同和対策事業助成要綱(以下「要綱」という。)に基づき、同和地区住民の文化の向上と自立の促進を図るため、同和地区における団体が自主的に実施する事業で、同和問題の解決に有効かつ適切と認められるものに対し、補助金を交付してきた。
 こうした本市の取組と同和地区住民、関係団体等の努力とがあいまって、同和地区住民の住環境や住民の生活実態は大きく改善されるなど成果を挙げてきた。
 こうした成果を踏まえ、とりわけ平成8年に京都市同和問題懇談会から意見具申を受けた以降は、同和行政を、市民の共感的理解を得て進めること及びすべての人の人権を尊ぶ中で進めることが必要であると認識と、一日も早い同和問題の解決、すなわち「社会正義の実現」に向けて積極的に取り組むという決意の下に、同和行政の見直し、改革を、本市職員が一丸となって全力を傾注して取り組んできた。その結果、平成13年度末をもって、同和対策事業62事業すべてについて、廃止や一般施策化などの見直しを完了するとともに、「交渉、「職免」、「カンパ」、「雇用」などの運動団体との関係の在り方についても、全面的な改革を実施してきた。「補助金(助成)」についても、補助金額の大幅な削減、温泉地での学習会事業への補助の廃止などの見直し、改革を経て。平成13年度末の要綱の廃止により、補助金制度を全廃した。

(調査委員会の設置)
 同要綱による補助を受けて、平成9年度から平成11年度までに行われた部落解放同盟京都府連合会各支部(以下「同盟各支部」という。)の61件の学習会事業について、平成13年4月20日に住民訴訟が提起され、補助金交付が適法であったかどうかが司法の場で争われることとなった。裁判所は、これら事業が行われた宿泊先に対する嘱託調査を実施することを決定し、その調査の結果、数多くの事業について、宿泊先からの回答と同盟各支部からの報告内容に不一致があることが明らかとなった。このような事態が発生したことは、同和問題の解決に向けた本市行政に対する市民の信頼を失墜するものである。このことは、本市として、看過できるものでなく、この問題に対する本市の対応が不十分であれば、今後の人権文化の構築に向けた取組に大きな障害となりかねない。したがって、毅然とした姿勢で、丹念に事実関係を解明し、市会及び市民に対する説明責任を果たすとともに、市民の本市行政に対する信頼を回復させ、同和問題の早期解決に向けた取組に生かしていかなければならない。このため、平成14年12月4日に「京都市同和対策事業助成要綱に基づく補助金の交付に係る調査委員会」(以下「調査委員会」という。)を設置し、詳細にわたり本市独自の調査を行った。
 調査委員会においては、嘱託調査の結果と事業実施報告書との内容の照合、当時の関係資料の確認、関係職員からの聴き取り調査を行うとともに、嘱託調査では事実の確認ができなかった事実についても独自に調査を行い、返還額の算定や、なぜこのような事態となったのか、その原因、背景について究明した。

(調査結果の概要)
 調査委員会の調査の結果、同盟各支部の報告内容と一致していない事実が確認できた。(別紙参照)
 同和行政の見直し、改革を進める中で、同盟各支部の補助金の交付手続きについて、本市の方針として、適正・厳格な処理を行うことを幾度となく訓令等で示したにもかかわらず、これを組織全体のものとすることができず、不適切な事務処理をチェックすることを怠り、長期にわたり改善できなかったことは、担当職員個人の問題にとどまらず、本市同和行政の過程で生じた組織的な問題である。この問題を組織的に克服できなかったことが、補助金の交付に当たり、不適切な執行を引き起こした主な背景及び原因である。

(中間報告及び今後の取組)
 今回、訴訟対象案件61件の最終報告として、調査委員会としての中間報告をとりまとめた。今後は、平成13年度末までに要綱に基づき実施した事業について、早急に全容を解明し、更なる人権文化の構築につながるよう最終報告書としてまとめ上げ報告する。


(別紙)

1 裁判所が行った嘱託調査の分類
(1)調査対象事業 61件
(2)裁判所から入手した情報 59件
 (内訳)・該当なし     23件
     ・不一致      28件
     ・参加人数の一致  1件
     ・不明       7件
      合計       59件(うち書面回答があったもの56件)
(3)未回答 2件

2 本市調査の結果
(1)実施をしていなかったもの 15件
(2)調査の結果、補助金の交付対象外としたもの 7件
 (内訳)・実施報告書と異なる場所で実施されたもの 3件
     ・実施報告書と異なる団体で実施されたもの 2件
     ・年度を越えて実施されたもの 2件
(3)本市への報告と内容が不一致のもの 39件


3 裁判所調査嘱託と本市調査との比較
裁判所調査嘱託の分類 本市の調査結果
該当なし 23件 ・実施をしていなかったもの 14件
    ・調査の結果、補助金の交付対象外としたもの 7件
    ・本市への報告と内容が不一致のもの 2件
不一致 28件 ・本市への報告と内容が不一致のもの 28件
参加人数の一致 1件 ・本市への報告と内容が不一致のもの 1件
不明 7件 ・本市への報告と内容が不一致のもの 7件
未回答 2件 ・実施をしていなかったもの 1件
    ・本市への報告と内容が不一致のもの 1件
合計 61件   61件


4 本市が返還を求める額
  件数 補助金交付額 返還額
実施をしていなかったもの 15件 8,300,000 円 8,300,000 円
本市への報告と内容が不一致のもの 39件 40,070,000 円 23,334,514 円
調査の結果、補助金の交付対象外としたもの 7件 5,850,000 円 5,850,000 円
合計 61件 54,220,000 円 37,484,514 円
*最終的には、上記返還額に支払い執行日の翌日から起算して年5分の割合の利息が加算される。

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