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野中広務氏の「同和脱税」追及国会議事録
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[出典]
以下のデータは、国会会議録のホームページより検索・抜粋したものです。


【1回目の追及】
128回-衆-予算委員会-04号 1993/10/06
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○野中委員 時間がありませんので、税の適正化についてたくさんお伺いをしたかったのですが、私の持ち時間が残念ながら、原田委員にも了解を得ましたけれども、もうありませんので、一点に絞って質問をいたしたいと存じます。

 私は、二十五歳の年から地方政治にかかわってまいりました。今から質問をすることは、私の四十年余りにわたる政治生活を通じて、私の政治生活の、政治生命のすべてをかけ、私の命をもかけて、これからのために勇気をもって質問をするのであります。心して、閣僚の皆さんはもちろんのこと、大蔵省当局は肝に銘じてこの問題についてお答えをいただき、明確な処理を願いたいと存じます。

 昭和四十三年一月三十日以降大阪国税局長と解放同盟中央本部及び大企連との確認事項が行われております。

 人間が人間を差別することはまことに許されないことでありますけれども、残念ながら我が国において残ってまいりました。したがって、我が国は昭和四十四年から同和対策特別措置法を続け、そして法を延長し、あるいは法改正を行いながら、今日までソフト、ハードにわたってこの解決に努力をしてまいったところであります。残念ながら、今日に至るもその差別は解消をしておらないことを不幸に思う一人であります。

 しかし、今これから申し上げますことは、大阪国税局長と解放同盟及び大企連との確認事項の中に、いわゆる「同和対策控除の必要性を認め、租税特別措置法の法制化に努める。その間の処置として、局長権限による内部通達によってそれにあてる。」これは、法ができてからもこの確認事項はそのまま生きております。すなわち「企業連が指導し、企業連を窓口として提出される白、青色をとわず自主申告については全面的にこれを認める。ただし内容調査の必要ある場合には企業連を通じ企業連と協力して調査にあたる。」「同和事業については課税対象としない。」そのほか補助金とかいろいろなことが書かれております。これを国税局長との間に確認をして、その後昭和四十四年一月二十三日、大阪国税局長と今度は解放同盟近畿ブロックとの確認事項が行われて、「申告については、大阪方式を他の府県にも適用する。執行の際には中央本部と相談する。」こういう確認事項が行われました。

 同和対策特別措置法が施行された後、昭和四十五年二月十日、国税庁長官通達をもって、この国税庁長官通達は、結局はこの四十二年の解同及び大企連との確認事項を追認する形で、最後に、「同和地区納税者に対して、今後とも実情に即した課税を行なうよう配慮すること。」これで、近畿地区だけでなく、全域に広かったのであります。

 すなわち、これを利用することによって、今度は申告すればそのまま認めてもらえる、そんな器用なことがやれるんならおれも同和を名のろうということで、えせ同和がつくり上げられてきたことは御承知のとおりであります。この方についてはある程度メスが加えられ、かかわった税理士等は免許をとられたこともあります。けれども、この聖域はこの二十数年間全然侵されておらないのであります。

 一体これがどんな結果を及ぼしましたか。一つは、公共事業の発注にまでこれが及んできたのであります。この企業連を通さなければ、公共事業の発注について行えないような状況までがやられてきたのであります。今ゼネコン問題がやかましく言われておりますけれども、そんなもんじゃないんであります。

 そして、同和対策特別措置法に基づく事業を幾らやろうが、税でこんなことができるんなら、こういう批判が沸きあがってきた。共産党の全解連なんかはこれを徹底して攻撃をしました。そのために新たな差別が起こってきたのであります。まじめに働き、勉強をし、目が四つあるわけでも鼻が二つあるわけでもないのに、同和地域に生まれたというだけで差別を受ける人たち、それが、こんな大蔵省のひきょうなことが現に続けられておるために新たな差別が行われて、増幅をしてきておるのであります。

 これは、私も国会に出ましてから党の税調あるいは党の地域改善特別委員会でたびあるごとに指摘をいたしました。大阪の塩川正十郎代議士は本会議においてあるいは予算委員会においてもやりました。けれども、大蔵は自分たちの態度を改めようとしませんでした。今度は、その解放同盟を組織として擁護しておられるというよりも、組織のバックにおられる社会党が政権参加をされたわけであります。そして、大蔵省出身の大蔵大臣がそのポストにおつきになったのであります。こんなときにこの問題が解決されない限り、私は政治改革の、そんなことが口にできる資格はないと思うのであります。

 当初に申し上げました。私の四十年に余る政治生活のすべてをここに凝結して、私の生命をかけてこの問題の解消を迫るのであります。責任ある答弁を願いたいと思います。

○三浦政府委員 お答え申し上げます。(野中委員「大蔵大臣に言っているんじゃないか」と呼ぶ)

○山口委員長 大蔵大臣。

○藤井国務大臣 今、野中委員の本当に長い歴史を踏まえてのお話がございまして、よく承っておりますし、この四十三年の話というのは、確かに申し入れがあったということは承知をいたしておりますが、それは申し入れであり、それに対して、これはできます、これはできませんというふうに整理をしているはずでございまして、ただいまお話しの同和控除は、そのときは認められませんというふうに言ったと聞いております。

 さらに、四十五年の国税庁通達は、決してそれを、言われたようなものを是認するものではない。課税の適正な執行をしろということを四十五年通達は書いてあるように承知をいたしております。

○野中委員 そんなことを言うだろうと思ったんだ。じゃ、今、二十五年間現に続いているじゃないか。これは大阪、近畿ブロックだけじゃないのよ。全国に広がっているのですよ。続いているのをどうするんですか。あなた方国税当局でそれぞれ勤務をされた人たちは、税務署といい国税局といい、それぞれの職場でみずからの良心と闘いながらこの問題をやってこられたはずだ。なぜこんなことがこのまま続くんだ、続くんだという自己矛盾と良心との苛責に耐えながら、残念ながらそれをやらなければ差別だと言われる一言に押されて、二十五年間押し流されてきたはずじゃないか。

 今、大蔵大臣が言うようなことがあって、やってないというのなら、やってない証拠を出しなさい。税理士まで系列化されているのですよ。私は幾らでも、ここで私の政治生命をかけ、命をかけると言う以上、幾らでも材料は出してみせる。どこにどんな基金が積まれて、どこに預けられているまで調べなければこんな質問できるか。もうちょっと腹のある、責任ある答弁をしなさい。大蔵大臣が大蔵省出身の大臣だから、この機会にこれを改めなければ改められないということを言っているんだ。

○藤井国務大臣 私もかつて税の執行をやったことがあります。税の執行に対しては大変な抵抗だとかそういうことがあることもよく承知をいたしております。今、野中委員お話しのように、それに対して税務署員たちが大変な努力をしていることも事実でございまして、今のようなお話は、これはもう是正することに、もしありとせば、私はその一つ一つの事情についてはよく承知をいたしておりませんけれども、そういうことに対しては、もしありとせば、適正に執行するのは当然のことであると考えております。

○野中委員 じゃ、国税庁、あなたの方から、大臣は今あるとすれば直ちに是正しますと言われた、それについてお答えなさい。

(9/22) 次の分割内容へ

○三浦政府委員 お答え申し上げます。
 いろいろな御要望項目のうち、できるもの、できないものがあるわけでございます。要望事項のうちで、一般の納税者と同様、税法の許す範囲内でできるものは実行している。例えば、窓口をつくりまして納税者の方々の実情をつぶさに聞く、これは一般の納税者の方々と同様でございます。そういう意味でこれは行っております。あるいはまた必要な研修を行う、これも当局として当然実施することであります。

 次に、やっていないことを申し上げます。

 同和控除あるいは同和ということでそれに類する控除が行われるかどうか、これは行われておりません。企業連を窓口として提出された申告については全面的に認めるというようなことは全くございません。同和事業については課税しないという要望がございますが、こういうこともございません。そういったような点につきましては、現在の税法に照らしましてできないことでございますので、やっていないわけでございます。

○野中委員 私は、まことに国税庁から残念な答弁をいただきました。改めて、大蔵大臣、時間を置いて、大阪や京都やそういうところを現に御視察になったらいいと思います。そして実情を調査し、そして大蔵大臣が言われたように、そういう不明瞭な面があれば即刻改めるということを確認をしておきます。

 時間がありませんので、私の質問を終わります。

○山口委員長 これにて野中広務君の質疑は終了いたしました。



【2回目の追及】
128回-衆-予算委員会-10号 1993/12/08
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○野中委員 言わないことを新聞が書いたのかどうか知りませんけれども、伊藤運輸大臣も、何か質問がないと言ってこの間廊下で不足を言っておられましたから、成田空港の感想やら、レプチエンコ問題にも名前が出ましたから政治倫理でお伺いしたいと思いましたが、残念ながら時間がありません。

 私は、先般のこの質問におきまして、みずからの政治生命と命をかけて質問をするという言い方で、部落解放同盟に対する税のあり方について質問をいたしました。国税庁は見事に、そんなことはありませんと胸を張って答えました。後から、もう時間がありませんが、関西地域の連立与党の皆さんからも、よく言うたという激励もいただきましたし、そこに座っていらっしゃる武村官房長官は、かつての八日市市長とし、滋賀県知事として、野中さん、あの国税庁の発言はけしからぬですね、こういう発言も、私の肩をたたいて激励をしてくだされた。

 きょうは、私は時間がありませんし、ここにこれだけ資料を持ってきております。なぜ私がやらないかというと、私はこういう二十五年にわたって、高木文雄大阪国税局長時代から積み重ねられてきたこの困難な問題で、国税庁の諸君も現場の税務署の諸君も苦労しただろう。けれども、私はあんな発言を聞いたら、暴露してやろうと思った。だから、税務署長のある署長に、今度は気の毒だけれどもあなたのところの具体的な問題を出すかもわからぬ、そのときは、断りなしにずばっと出て迷惑をかけたらいかぬから、あなたのところが抱えておる、二代にわたる税務署長が抱えておる問題についてあらかじめ断っておきますと申しました。

 あなた方が長い間、全部未処理として時効処置をしてきた幾つかの例を、私はこれだけ量を持っております。未処理として処理してきたんだ、全部。時効扱いにしてきたんだ。けれども、なぜテレビでやらなかったかというと、一つの団体がこういうことをやって、国民が、何と恐ろしいことをやっていたんだなということで、一つは差別が再生産されること、それを恐れたこと、もう一つは、税に対する国民の不信感が増幅してはならなしと考えたから、私はあえてやらなかった。

 この次、あなた方が反省しないなら、私は通常国会でテレビの時間をもらっております。そこで私は明確にこの問題をやらしていただきたいことを申し上げ、神崎大臣の問題に関連をいたしまして山崎元弁護士の証人喚問を要求いたしましたが、公明党の賛成を得ることなく、今度の予算委員会を終わらざるを得ないのは残念であります。

 がしかし、これは必ず実現をしていただきたいと思いますし、そして、石田長官は情報公開を言っていらっしゃいます。情報公開はみずからのところでやるべきであります。そのことを厳粛に申し上げておいて、きょうは、残念ながら時間がありません。しかし、これもやはり地方でいろいろな問題のしがらみを持っておるだけに、証人喚問をされなかったって、私はテレビの前で、いかにあなた方が政教一体でやってこられたかを明らかにする勇気を失ったわけではありませんので、このことだけを申し上げて私の質問を終わりたいと存じます。

○山口委員長 これにて野中君の質疑は終了いたしました。



【3回目の追及】
129回-衆-予算委員会第二分科会-01号 1994/06/07
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○山本主査 この際、分科員各位に申し上げます。

 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 なお、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。

 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野中広務君。

○野中分科員 連日御苦労さまでございます。

 私も予算委員会に所属をいたしまして連日審議に参加をいたしておるわけでございますけれども、まあでき得れば政策的な面についても質問をする機会を得たいなということを思いながら、野党第一党の、しかも第一線攻撃部隊の先頭に立っておりますので、なかなかそういう議論もできないまま今日までやってまいりました。

 そして、特に私がきょう絞って御質問を申し上げたいと存じておりますのは、もう藤井大蔵大臣先刻御承知のとおり、今日まで私は、予算委員会におきまして二度にもわたりまして指摘をしてまいりまして、若干その間、やや改善の努力が行われるのかなという感じを見たこともありますけれども、しかし、ことしの三月の申告等をそれぞれの地域について私なりに点検をしましたときに、私の求めてまいった税に対する適正化というのは何ら改善の道をたどっておらないという感じを私は率直に受けたわけでございまして、まことに残念に思うわけでございます。

 私もいささか地方公共団体の仕事にかかわってまいりまして、税なるものの重要性を、またその適正公平さについて身をもって体験をしてきた一人でもございますし、また、先ほど大臣が説明されましたように、ことしの租税収入五十三兆というのは恐らく平成二年の五十二兆に次ぐものでなかろうかと思うほど深刻だし、それだけの歳入がなお確保されるのかということについても非常に私は疑問に思うわけでございます。

 また一方、政府税調におかれましては、今基本的ないわゆる税制改革への議論が鋭意重ねられておるところでございます。実は私も三十年ほど前、泉、塩崎主税局長のときに、政府税調の委員の末席を汚したことがございます。そういう当時を振り返りながら、税の重みというものを改めて感じるわけでございます。

 しかし一面、私は、国民に新たなる負担を求めようとするときに、先日来私が指摘をしておるように、中企連あるいは企業連を通じて申告をする際に何らチェックがされない、あるいはチェックがされたとしてもそれは保留をされて、そして、まああなた方は適正にやっておるとおっしゃるかもわからない、しかし実際実務は、チェックされたままで保留されて時効扱いになっております。私は多くの資料を、出せとおっしゃるなら持っております。ことしも残念ながら、数地域を調査いたしましてもそういうことが、私どもの地元だけでなく兵庫県、大阪において行われておることを私は現実に把握をして非常に残念に思い、またそのことに対する批判も出ておることも事実でございます。

 こんなことを考えますときに、一方においては、最近、報道を見ておりますと、大蔵省の大先輩である銀行の会長がいわゆる相続税を延滞されておるといったようなことが出、ひょっとしたらその人が次期日銀総裁でないのかといったことが報道をされてみたり、あるいは私が指摘している、当時大阪国税局長であった高木さんがみずから大蔵省の人物像について書いていらっしゃいます。この人に、みずから歩いてきた道を厳粛に振り返り、それが三十年近い歳月なお足を引っ張り、そして多くの問題を提起し、そして問題を残し、現職の諸君にも多くの迷惑をかけておるといった反省が一体あるのかなということを、私はあの本を見ながら非常に残念に思った次第であります。

 そう考えるときに、新たに国民に負担を求める際には、やはり自分たちが姿勢を正し、そして勇敢に適正化に向かって努力をしない限り、税の、いわゆる国民に求める大蔵、国税当局の姿勢というものが理解をされない、そういうように考えておるわけでございますが、大臣初め国税当局のお考えを改めてお伺いをしたいと思いますとともに、かかる分科会においてなお私はこういう質問をせざるを得ないことをまことに残念に思っておる次第であります。

○藤井国務大臣 この話は、事務方より私がお答えすべきことだと思います。

 お話のように、過般二回にわたりまして非常に厳しい御指摘を受けました。私も、これは本当に真剣にかつ謙虚に受けとめたつもりでございます。

 おっしゃるように、課税の適正ということは、本当に税の信頼というものを多くの国民の方に得る最大の道であると考えております。お話の後、国税庁の幹部とも話しました。また、私なりにいろいろな人にも聞きましたし、また、地域改善対策協議会で具体的な指摘まであったということもよく承知をいたしております。

 私としては一歩一歩前進をしていると考えておりますが、本年においてもそのような御指摘を賜って本当に残念に思っております。私どもとしては最大限の努力をしてまいっているつもりでございますが、またいろいろなことがありましたら、むしろ教えていただきたいという気持ちでおります。

(19/40) 次の分割内容へ

○野中分科員 今大臣から御答弁をいただいて、いろいろなことがあったらお教えをいただきたいと言われますけれども、私は自分で魔女狩りしてみたいと思っているわけではありません。本当に徹底して私は国税やあるいは皆さん方を責めようと思うのなら、私はやはりテレビの前でやっています。だけれども、私はいつも申し上げているように、そのことによって税そのものの信頼が失われてはならない、もう一つは、そのことによって全く関係のない人たちに新たなる差別を呼び起こして、そして人権侵害になってはならない、この二つを考えるから、できるだけ私はテレビの前でする質問を自分で避けてきたつもりでございます。

 それが国税当局の皆さんにわかってもらえないのを私は残念に思うし、そして、ついこの間の日曜日に帰りましたら、そうしたら京都でちょっと知った人に出会いましたら、相続税の関係があって困ったので企業連に相談してやってもらおうと思った、こんな話を聞きまして、そんな聞く耳持たないと言って私は怒ったのですけれども、こういうことが安易に使われておることに対して、私は、それは三浦次長が立場上そうでありましたというのをあんなところで言えないと思いますよ。あなた淡々と言うから余計腹が立ってくるんだ、こっちは。だけれどもそれは言えない立場も私はわかります。

 それを私は責めようとは思わないけれども、しかし、私は最初の質問のときに、政治生命をかけ、そして自分の命をかけると言ったんだ。次の選挙必ず落としたるというのはおりますよ、確かに大きな波紋を呼びましたから。けれども、私を激励してくれる人もおります。そして、激励してくれるのが、意外に税理士さんとかあるいは税務署の窓口で働いたOBの人たちやら、現職の人も意外に、よく言ってくれましたと言うのですよ。

 大臣は自分で大蔵省に勤務された人ですから、そういうところの人がやはりどれだけ生々しく現場で苦労してきたかは私は知っておられると思うのです。また、国税庁の三浦次長が、わかっておってもわからないような素知らぬ顔して、そんなことありませんと言わんならぬのも立場上私はわからぬわけではない。けれども、私どもも何回かこんな質問するのは嫌です。

 だから、私が政治生命をかけるというのは、自分はそれによって政治の生命を絶ってもいいんだよと、あるいは、生命をかけるというのは、私はそれによってどんな迫害を受けてもいいんだよと、あるいはこの間、税のあり方について憤慨して自殺をした人がありますが、そういう抗議行動を私やったっていいんだよと、我々の世代にこういうものはきちっとやはり整理をして、見せしめにあなた方にしておかなければこれはだめなんだという、そういうひたむきな気持ちがあるから私はあえて申し上げているわけでございます。

 そういう気持ちをあなた方は厳粛に考えて、その場その場の答弁で事が終わったらそれでもう済んだんだというようなことじゃなしに、この間も私、皆さんにはどんな映り方をしたか、あるいは専門的に知識の高い皆さんにはどんな聞かれ方をしたかはわかりませんけれども、税と福祉の整合性という問題について私なりに、現場で経験した人間として私は心情を吐露したつもりであります。私は、同じ気持ちであります。

 したがって、やはりその場限りの答弁じゃなしに、なるほど困難であるけれどもやはり血を出しながら頑張っているな、そして適正化の機運が見えてきたな、そういうものが我々にわかるようにやってもらわなければ、新たに国民の負担を求めるあなた方の立場を私どもはやはり平場で批判をしなければならない時期がやってくるということを申し上げて、もう一度私はお考えを聞きたいと思うのであります。

○藤井国務大臣 初めのときだったと思いますが、私は、野中委員とのやりとりの中で、私も三十何年前第一線の税務署におりましたというお話を申し上げました。そしてそういう中には、大変物理的な抵抗もありますし、家族が非常に大きな犠牲を受けながら全力を出して努力をしている多くの職員を知っております。

 ですから、今お話しのように、OBの人が激励をしてくださったというお話は非常にわかるような気がします。私どもとしては、私はもう学校を出てからこの道をずっとやっておりますし、今もこの道をやっておりますから、その場逃れの答弁なんというものじゃございません。もうずうっとこういうことをやってきておりますから、今のお話のおっしゃっている意味はよくわかるのですね。よくわかります。そういう中で、個々の職員たちが本当に努力をして課税の公平のために働いてくれているということもよく承知をしております。

 今まだ何の変わりもないということで大変残念に思いましたが、私としては、これはここでの通り一遍の答弁ではなく、一歩一歩かもしれないけれども努力をしてまいりたいということを改めて申し上げさせていただきたいと思います。

○野中分科員 私は、自分の意図のために何かを具体的に摘発して申し上げようとかそんなことを思っているわけじゃないのです。私が前に、あるところの税務署長に言いましたのは、これは、もし私があなた方とのやりとりで、じゃ具体的にこういうことがあるじゃないかと言ってしまったときに、そこにたまたま勤務しておられる税務署長に、けさがけで、何か一言ぐらい聞かしておいてもらったらええがなと思う感じを与えさしてはいかぬと思って私は言うただけでありまして、個別に私は恨みつらみがあってこの問題を言っているわけじゃないのです。

 やはり昭和四十三年以来の経過を知ってきた一人として、何とかやはり今日のこの大きな課題を背負っておる問題を、少しでも少しでも正常化への道を歩むことに勇気を持って組織としてやってもらわなければ、組織が動かないのに、後ろに守ってやる者がないのに第一線だけがこんなもの解決しようなって、それはできません。それは個人が傷ついてしまいであります。幾多個人が傷ついた人もおります。そういうことを考えるときに、組織としてやはり守る体制を確立してもらいたいということを私は特にお願いをしておきたいと思うわけでございます。

 そのことだけをお願いすれば、そして決意を承れば私は質問が終わるわけでございますけれども、せっかく立ちましたので、この機会に私自身不勉強でわからない点を一つ投げかけてみて、そして教えていただきたいと思う。

 それは、この間私は、政治改革関連法案の中で政党助成のあり方について質問をいたしました。法律として確定したものであります。けれども私どもは、まだ政党法の問題が与野党協議で残っておると理解をいたしております。そして私は、一人二百五十円というこういう計算だけで政党に対して、しかも法人格を持たない任意団体の政党に対して国民の血税が助成をされることが本当に政治改革につながるのかな、あるいは、税そのものを考えるときに、それが正しい選択なのかなと自分で自問自答をずっとしてきているわけでございます。だから私は、これには終始慎重に考えてきたつもりでございます。

 この間も申し上げましたように、選挙権のない人もあるいは在日外国人も、あるいは日本にたまたま観光ビザで来た人も税を納めているわけでありまして、そういう人から来た税を政党に助成をするというのが、政治のコストを負担さすというのが本当に改革の名のもとにいいのかなというのはまだ私は理解ができないわけでございます。

 もう一つ、ここで私が理解をできないのは、労働組合の資金なんです。これはある意味において聖域になっているのじゃないか。組合員はそれぞれ組合費を徴収をされます。一番大きな連合体では、もう二千数百億という金があると言われておるところもあるわけでございます。このごろは、その労働組合がやや政治を動かしているのじゃないかと思うほど、政界の再編を含めていろいろな感じを持つときがあるわけであります。

 特に、一時のときとは違って労働争議も少なくなりましたし、ストライキ等の処分者も少なくなりましたから、いわゆる組合費をもって、専従の負担以外、そんなに大きな負担をしなければならないような要素は逆にこの十数年非常になだらかになってきた、それがまた資金の増大にもつながってきたと私は思うわけでございます。そういう点で、一体、税務当局はどのようなあり方になっておるのか、そこのところを私はお伺いをしたいと思うわけでございます。

(20/40) 次の分割内容へ

○藤井国務大臣 これは公益法人の問題とも絡んでいるのだと思います。私どもとしては、その本体の事業については建前上触れられないということになっておりまして、正直言いまして触れておりません。ただ、そこに勤めている人の源泉徴収等々には触れております。触れておるというか、ちゃんと課税をいたしております。収益事業もやっております。

 しかし、本体に触れられないという一つの原則がございまして、それらは第一義的には、各公益法人であれば監督官庁、労働組合でいえばどこになるのかな、労働省かな、そういうところに、今恐らく野中委員はその中の話をしておられるのかと思いますが、触れられない、税務当局としては触れていないという現実は申し上げられると思います。

○野中分科員 これ以上大蔵省に求めるのは困難かと私は思います。けれども、認可なり所管官庁が本当にこういうところに触れられておるか、適正なあり方についてそれなりのチェックができて
おるか。今はそれが大きな政治の流れすらつくり、逆に言うたら、宗教法人と政治のあり方が言われておるけれども、全く聖域化したこの労働組合の資金と政治のあり方、政治資金のあり方というのは我々政治家の中で論議されなくてはならない問題だと私は自分で考えておるわけでございます。

 大臣も有力な閣僚の一人でございます。これから内閣の問題としてこういういわゆる真の政治改革の中における聖域化したところの問題についての努力と、そして内閣としての努力がさらに大蔵大臣の指導によって進められるように、そうでなかったら本当の政治改革を実現する道に通じない。いろいろなところに聖域を残して、手の触れられないものを残しておいて、そしてさっき申し上げましたように国民の信頼と税に対する新たなる賦課、そして国民の負担を求めるということにはなり得ないのでありまして、私はそのことをあえて要望を申し上げまして、もう私の申し上げることは尽きましたので、やや時間が余っておりますけれども、これで私の質問を終わります。

○山本主査 これにて野中広務君の質疑は終了いたしました。


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