「自立促進援助金制度の見直しに係る法的課題整理等研究会」第3回会合が7月30日夕方、京都市内のホテルで開催されました。この研究会は、京都市同和行政総点検委員会の専門部会というべきもので、その名の通り、自立促進援助金制度の見直しについて、集中的に協議する場です。研究会メンバーは、総点検委員会委員の新川達郎・同志社大学教授、中坊公平・元日弁連会長、安保千秋・弁護士の3人。
7月14日付けの本ブログ・行政救済が帰着点かで、もうこんな総点検委員会に何も期待できない、こちらはまた新たな住民訴訟を準備するだけだというようなことを書きましたが、この日の研究会では、ほんのちょっと風向きが変わった。
今月23日の総点検委員会第4回会合までは、2000年度以前に同和奨学金の返済がはじまった借り受け者については、京都市はその債権を放棄する方向性で論議されていました。ところが今日の研究会では、中坊氏が、全員に対して市は返還を求めるべきであると主張し出したのです。
(債権放棄は)市の誤った自立促進援助金の運用によって生じた損害を市民に負担させることになる。それはおかしい。市は自らのミスを重く受け止め、難しいことではあるが全員から返還を求めるようすべきである、と主張したのです。
一方、新設される免除制度の基準は、国の同和奨学金免除基準(生活保護世帯の1・5倍以内の収入)をベースにしながらも、これまでの経過を鑑みた多様な免除基準を定めるべきだと付け加えました。
これに対して、安保氏が、確定判決で違法性が認定された2001年度以降の新規返済者に限って返還を求めるべきだ(つまりこれまで総点検委員会の議論に沿った意見)、と異論を唱えました。研究会としてはこの2つの意見が出たということで次回の総点検委員会に報告することになりました。
中坊案が委員会で承認される可能性は、あの無定見委員らの顔ぶれを思い浮かべると難しいような気がします。中坊氏も持論に固執するつもりはないと発言し、どこまで本気か判然としないところもある(しっかりしてくれ)。また、中坊氏のいう多様な免除基準を新規に導入するとなると、これまた新たな混乱を生む可能性もあり、問題は大きいとも言えます。
しかし、行政自らが法律や制度の趣旨を踏みにじって長期にわたって運用し続けてきた自立促進援助金制度の問題点とそれを生んだ責任をはっきりさせるためには、中坊氏のいう、借り受け者全員に対する返還請求を、市が行うということは、最低限守らなければならない基本ラインだと、わたしは思います。何とか中坊さんの奮起を期待したいものです。
それと、自由同和会もこの線で、後押しをしろと言いたいですね。なにしろ運動団体の中で唯一、「返済能力のあるものには返済させるべきだ」と正論をはいている団体なんですから。
次回総点検委員会は(本来の予定通りなら)8月6日開催です。


