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マリード[同和行政オブザーバー]

おかしすぎるぞ、総点検委員会

8月6日午後、京都市同和行政総点検委員会(委員長=新川達郎・同志社大学大学院教授)の第5回会合が、職員会館かもがわで行われました。この日もまた、同和奨学金の返還を市が肩代わりしている自立促進援助金制度の見直しについて議論されたのですが、さっぱりわけのわからない、結末となりました。

会議では冒頭、7月30日に開催された自立促進援助金制度についての専門部会(自立促進援助金制度の見直しに係る法的課題整理等研究会)の審議内容(マリード[同和行政オブザーバー] - 風向き少し変わった...か)が、新川委員長から報告がありました。とくに重要な点は下記の4点かと思います。

1 自立促進援助金制度は2007年度から廃止すること(2007年度から市は自立促進援助金の支給を停止している)。

2 廃止とセットで、返還困難者に対する返還免除制度を創設すること。

3 長期自立促進援助金を支給されている借り受け者に対しては、多様な免除基準を設けるものの、すべての借り受け者に対して返還を求めるべきだとの意見と、確定している大阪高裁判決において2000年以前に支給された援助金は「違法とは言い難い」と判定されていることを踏まえ、返還対象者は2001年度以降に返済がはじまったものに限定するとの意見があること。

4 新たに創設する免除基準は、国奨学金の基準(生活保護世帯の1・5倍以内の収入)を基本に考えること。

新川委員長の報告を受け、出席委員一人ひとりが意見を表明しました。それによると全員、上記1、2、4については異論はありませんでした。3(つまり誰を返還対象者とするのか)についても、発言する委員は次々に、2001年度以降に返済が新規にはじまった借り受け者に限定する案に賛同したので、委員長もこの方向でまとめようとしたのですが、これに対し、中坊公平委員(元日弁連会長)が、異議を唱えたのです。

中坊委員の異議内容をわたしなりにまとめると以下のとおりです。基本的には7月30日の研究会での主張と同じだったと思います。

「2001年度以降の借り受け者に限定するということは、それ以前の借り受け者については、市は債権を放棄することになる。そういうことを市民は納得するだろうか。確定判決が2000年以前の援助金の支給については「違法とは言い難い」と言っていることはわかるが、自立促進援助金の問題は、そもそも誤った市の行政によって生み出された問題ではないのか。

「古い借り受け者ということは、大学を卒業して何年にもなる人が多い。そういった人の中には返済能力を十分持っている人もいると考えられるが、そういった人も含めて一律に援助金を支給してきた行政の在り方が今問題にされているのではないのか。

「誤った行政のひずみが問題とされているときに、債権放棄することが市民感覚に受け入れられるかどうか疑問だ。公の債権をどうするか、根本的に考える必要があるのではないか。

中坊委員の主張は、この日の議論の未解決の問題点を指摘するものであったと思います。

つまり、わたしの言葉で言えば、市が、法令や制度の趣旨を意図的に踏みにじり、虚偽の説明(「同和奨学金の返済は必要ない」と言って借り受け者を騙していた)をくり返したことによって生じた問題であるのに、今また債権(数十億円にのぼると思われる)を放棄することを、そんな簡単に決めていいのか、それが京都市の同和行政の抱える問題点を是正することになるのか、という指摘ですね。

きわめて重要な指摘だと思います。

ところが、冒頭わたしが「わけがわからない」と書いたのは、ここからなんです。当然のことですが、この中坊委員の問題提起を受けて、さらに議論が続くのかと思いました。再び委員一人ひとりからこれについての見解を聞くことになると。

しかし、奇妙なことに、新川委員長は議論を打ち切ってしまったのです。今出た意見を踏まえて、自分が自立促進援助金問題の見直し案(委員会としての中間報告案)を作成し、次回委員会に提案したいので、よろしくと告げたのです。

今後の見直し案の根本問題にかかわる対立点があるというのに、審議の終結を宣言するって、いったいどういうこと? 奇妙と言わざるを得ません。突然議論が打ち切られたというのに、中坊委員も他の委員もそれについて反対しなかったことも、またさらに奇妙。

まあ、要するに会議の前からこの日の結論は決まっていたということか?

この日の会議は、この後、コミュニティセンター(旧隣保館)のあり方、改良住宅のあり方の議題にうつりました。ここでもまた、委員のみなさんの大ボケ発言が連発され、傍聴している方がずいぶん恥ずかしい思いをさせられることになりました(聞いているほうが恥ずかしいわ、というやつ)。

わたしは、座っていて、悔しくて情けなくて涙が出るほどだったのですが、同じく、この日傍聴していた運動団体幹部の面々や市会議員の方々はどう受け取ったのでしょう。わたし以上に悔しい思いをしているはずだと思うのですが(だってこれまで長い時間をかけて自分たちが作り上げてきたものが、こんな連中の手でつぶされていくわけですから)、会議終了後、文句ひとつ言うことなく帰ってしまいました。これまたいったいどうしたことか。一発くらいかまさんかい。

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泥沼、より深みへ──同和行政総点検委員会の逆走

8月8日発売予定の月刊誌『ねっとわーく京都』2008年9月号に、「泥沼、より深みへ──同和行政総点検委員会の逆走」と「日常が逆転するトリップ──シーカヤック事始め」を寄稿しました。

前者は、本ブログでもすでに何度か取り上げた、京都市同和行政総点検委員会の論議内容の批判です。

後者は、今号の「これでよいのか──立ち止まって考える人生の夏休み」と題する特集記事用に書いたエッセイです。実はこの春より、わたしはシーカヤックというマリンスポーツに熱中していまして、もう何度も和歌山の海に通っているんですね。その面白さ、魅力について短く論じたものです。

団体の機関誌は別にして、「同和」とはもちろん、京都市行政とも無関係な内容の文章を発表するなんて、なんかずいぶん久しぶりのことのような気がする。

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桝本市政12年─同和行政の無惨な後遺症 〈同和〉という病い(6)


【マリード158号 2008年8月1日配信 初出:『ねっとわーく京都』2008年1月号】

市長の泣き言にだまされるな

2007年10月16日、桝本頼兼京都市長の「不出馬表明会見」が市役所内で開かれた。

市長は1996年の初当選以降を振り返り、「政策についてはほぼ100%近く達成できた」と誇る一方、話題が京都市職員の犯罪・不祥事問題に移ると、「うみを出し切りたいと対応してきた。市民のみなさんに心から申し訳なく思う。非常に寂しい、情けない思いをしている」と顔をこわばらせて語ったという(読売新聞2007年10月17日付)。

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風向き少し変わった...か

「自立促進援助金制度の見直しに係る法的課題整理等研究会」第3回会合が7月30日夕方、京都市内のホテルで開催されました。この研究会は、京都市同和行政総点検委員会の専門部会というべきもので、その名の通り、自立促進援助金制度の見直しについて、集中的に協議する場です。研究会メンバーは、総点検委員会委員の新川達郎・同志社大学教授、中坊公平・元日弁連会長、安保千秋・弁護士の3人。

7月14日付けの本ブログ・行政救済が帰着点かで、もうこんな総点検委員会に何も期待できない、こちらはまた新たな住民訴訟を準備するだけだというようなことを書きましたが、この日の研究会では、ほんのちょっと風向きが変わった。

今月23日の総点検委員会第4回会合までは、2000年度以前に同和奨学金の返済がはじまった借り受け者については、京都市はその債権を放棄する方向性で論議されていました。ところが今日の研究会では、中坊氏が、全員に対して市は返還を求めるべきであると主張し出したのです。

(債権放棄は)市の誤った自立促進援助金の運用によって生じた損害を市民に負担させることになる。それはおかしい。市は自らのミスを重く受け止め、難しいことではあるが全員から返還を求めるようすべきである、と主張したのです。

一方、新設される免除制度の基準は、国の同和奨学金免除基準(生活保護世帯の1・5倍以内の収入)をベースにしながらも、これまでの経過を鑑みた多様な免除基準を定めるべきだと付け加えました。

これに対して、安保氏が、確定判決で違法性が認定された2001年度以降の新規返済者に限って返還を求めるべきだ(つまりこれまで総点検委員会の議論に沿った意見)、と異論を唱えました。研究会としてはこの2つの意見が出たということで次回の総点検委員会に報告することになりました。

中坊案が委員会で承認される可能性は、あの無定見委員らの顔ぶれを思い浮かべると難しいような気がします。中坊氏も持論に固執するつもりはないと発言し、どこまで本気か判然としないところもある(しっかりしてくれ)。また、中坊氏のいう多様な免除基準を新規に導入するとなると、これまた新たな混乱を生む可能性もあり、問題は大きいとも言えます。

しかし、行政自らが法律や制度の趣旨を踏みにじって長期にわたって運用し続けてきた自立促進援助金制度の問題点とそれを生んだ責任をはっきりさせるためには、中坊氏のいう、借り受け者全員に対する返還請求を、市が行うということは、最低限守らなければならない基本ラインだと、わたしは思います。何とか中坊さんの奮起を期待したいものです。

それと、自由同和会もこの線で、後押しをしろと言いたいですね。なにしろ運動団体の中で唯一、「返済能力のあるものには返済させるべきだ」と正論をはいている団体なんですから。

次回総点検委員会は(本来の予定通りなら)8月6日開催です。

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早くも頭もたげる「うやむや」体質 〈同和〉という病い(5)

【マリード157号 2008年7月25日 初出:『ねっとわーく京都』2007年7月号】市職員の犯罪・不祥事で迷走を続けた2006年度の京都市だったが、いまだその泥沼から抜け出すことができないでいる。4月26日に開かれた「信頼回復と再生のための抜本改革大綱」推進本部会議で、桝本頼兼市長は、これまでの断固とした指導の結果、「京都市の問題職員はゼロになった」と成果をたたえた一方、「事なかれ主義を一掃し、ウミを出し切ったと言える状態ではない」ことも指摘した。

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奪われた人事権と売買された採用枠(下) 〈同和〉という病い(4)

【マリード156号 2008年7月18日配信 初出:『ねっとわーく京都』2006年12月号】

「こんなやつを公務員にするのか」

京都市が運動団体に人事権を委譲したことによって、どんな状況が生まれてしまったか、二、三事例を紹介しておきたい。

人事権を掌握した運動側は、いったいどのような人物を市職員として送り込んできたのか。労働意欲や公務員としての適性などが重視されていたわけではなかった。今日同様、同和選考採用者の不祥事──婦女暴行、覚せい剤所持、恐喝、詐欺、発砲事件などが続発していた1996年当時、部落解放同盟京都市協議会事務局長は、わたしの取材にこう答えている。

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頭に来るぞ、お気楽発言

京都新聞が2008年7月13日付けで、京都市自立促進援助金について詳しい記事を載せています。制度の内容と現在どんな矛盾に直面しているのかが、よくわかる記事だと思います。

一方記事中、気になる点、頭に来る点があるので、簡単に記録しておきます。

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行政救済が帰着点か

当サイトが不調となってしまったこともあり、書くタイミングを逸してしまいました。京都市同和行政総点検委員会の話です。

委員会の議論の行方が、どうも怪しくなってきました。ひと言で言えば、これまでのその場しのぎの無責任行政を「救済」する方向に舵を切ったという感じですかね。

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2007年以前のバックナンバーについて

すでにお知らせしたとおり、わたしの不注意で、このホームページのデータをすべて壊してしまいました。

このサイトは、MovableTypeというソフトを利用して作成しています。普通ソフトといえば、コンピューターのハードディスクにインストールするものですが、このソフトはサーバーにインストールするというちょっと特殊なものです。

よせばいいのに、きまぐれに、MovableTypeの最新バージョンに更新しようとしたのが失敗でした。一応バックアップを取った上で、マニュアルを見ながら慎重にバージョンアップしたつもりだったのですが、なぜかうまくいかず、それなら、「めんどくさいので元のやつにに戻そう」と思って引き返そうとしたのですが、これまたうまくいかず。

それであわてて、データをあれこれいじくっているうちに、自分でも何が何だかわからなくなり、前にも後にも進めなくなってしまったというわけです。

現在このホームページにはマリード既刊号のうち147号(2007年12月31日配信)から現在までの号を収録しています。146号(2007年12月14日)以前についても、掲載できればいいのですが、作業量が膨大で(しかも退屈で)、とても果たせそうにありません。

2007年以前の既刊号、及び関連資料などについては、今後も旧サイトをご利用ください。
旧サイト(マリード[同和行政オブザーバー]/寺園敦史ホームページ)
http://www15.ocn.ne.jp/~almarid/

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2008年からのバックナンバー追加

マリード147号〜152号までを掲載しました。「バックナンバー」をクリックすると、既刊号を時系列(新しいもの順)でごらんいただけます。

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